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 特集「大西民子没後二十年」と小特集「浜田到」がうれしい。こういう歌人特集を年に何度かやってくれたら、私はこのまま『現代短歌』のファンになりそう。


こがらしに日々黄に変はる欅の葉 残りすくなき数片がちる
一塊の雲の縁
(ふち)のみ朝焼けてたまもののごとき今日がはじまる

  一ノ関忠人「曙光」より



 「残りすくなき数片がちる」を読んで「残り時間」という言葉が思い浮かび、何かつらい気持ちになる。「たまもののごとき」の字余りの文体自体に、この世界と生の豊かさを実感する。


ひつそりと引込み線が蜘蛛手なす昼の軌条のにぶくひかりて
わが胸の引込み線をふと思ふ青春の未熟に還る一本


  沢口芙美「引込み線」より



 前の叙景歌が後の抒情歌を引き出す役割を担う。連作の手本のような作り方だ。「未熟な青春」は気恥ずかしいが、「青春の未熟」は気恥ずかしくなく、むしろ胸に沁みる。なぜだろう。後者の方に日常の言葉を若干超えたレトリックがあるからだろうか。


(2013.1.23 記)

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