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 鼠の巣片づけながらいふこゑは「ああそれなのにそれなのにねえ」

   斎藤茂吉『寒雲』(1940年)



 家に呼んだ職人が流行歌を口ずさみながら仕事をする図。YouTubeで実際に美ち奴の「ああそれなのに」を聴いてみて、これまで自分が「ねえ」の意味を取り違えていたことに気付いた。私は「いいですねえ。」の「ねえ」だと思っていたのだが、実はそうではなく、「ねえ、いいでしょう。」の「ねえ」なのだった。文法的に言えば、間投助詞でなく、感動詞。表記の上で区別するなら、

  それなのにねえ。

ではなくて、

  それなのに。ねえ、……

である。些細なことのようだが、この違いは、茂吉の掲出歌を読むときの拍子やアクセントの取り方に微妙に影響するように思う。


 


 ところで、このようにメロディーのある歌詞を短歌の中に引用してある場合、その1首を音読する人は、言葉を原曲のメロディーに乗せて読み上げるものだろうか。この一首を黙読する人は、頭のなかで原曲のメロディーを踏まえているのだろうか。

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