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 本文は十二人の歌人それぞれの五十首詠とエッセイ、十二人が参加したインターネット掲示板のログの抄出からなっている。エッセイのテーマは共通で、過去の歌人が五十歳頃に詠んだ歌。掲示板のテーマは「25年前のことをとーとつに語る」とのこと。

 年齢云々に物申したくなる向きもあるかもしれないが、私などは特に気にしない。自分とほぼ同世代の方々の歌文を楽しんで読んだ。

 「五十歳」ということで思うのは、師馬場あき子がかりんを創刊(昭和五十三年)した年齢だということだ。前年に高校の教職を退職し、迢空賞の選考委員と現代歌人協会の理事になり、まひる野を退会し、翌年に朝日歌壇の選者となり、かりんを創刊する。(略)それに比べて、私の五十歳とはなんとぼんやりしているのだろう。気が付いたら五十歳になりました、とばかりに舌を出す私が見える。


 井上久美子「昭和五十三年の馬場あき子」より。馬場あき子の履歴について、公になっているほどのことは私も知っていた。しかし、引用文中の事項が全て一九七七年から翌年にかけての事項だということ、当時の馬場がまだ四十九歳、五十歳だったということをあらためて知らされると、ほぉと思う。「それに比べて、私の五十歳とは」と井上は書いているが、私なども同様に感じてしまう。

 まあすごい人はすごいのだし、比べても仕方ないか。与謝野晶子が最初に源氏物語の現代語訳を出版したのは三十代の頃、文化学院創立や日本古典全集の刊行開始は四十代のときだ。この偉大過ぎる先人と比較するなら、馬場さんだって五十歳の時点ではまだ何も……かな。


(2023.12.11 記)

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