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 買っていなかった『ねむらない樹』vol.5(2020年8月1日)をようやく買って読んだのだが、編集後記と同じ頁に載っている短い記事「前号の特集におけるお詫びと撤回」に驚いた。前号掲載の座談会「短歌とジェンダー」(川野芽生・黒瀬珂瀾・佐藤弓生・山階基)の中の発言をめぐり、

読者の方より「引用歌の作者の性別について事実誤認がある。また、『短歌とジェンダー』と題した特集内で作者の性別を特定する発言は不適切である」とのご指摘がありました。発行元として、編集の過程でチェックに甘さがありました。お詫びをして、上記発言を撤回させていただきます。


というのだ。私が驚いたのは、主に次の三点である。

 第一に、作者の性別について事実誤認があるとの指摘があったということ。また、編集部がその指摘を是認したこと。氏名の明らかな作者の性別を誌上の発言者が誤認し、それを読者に指摘されるなどというのは、ちょっとなかなか無い話ではないかと思う。

 第二に、内容の一部が不適切であったことを編集部が認めて謝罪していること。話は単に事実誤認を訂正するということにとどまらないのだ。これも短歌雑誌ではこれまであまり目にすることがなかった事例ではないかと思う。

 第三に、座談会の出席者の発言を編集部の名において撤回していること。これまた、従来あまり聞いたことがないやり方だ。

 しばし考えさせられた。第三の点については、編集部は非常にまずいことをしたと私は思う。編集の責任者はもちろん、当該箇所の掲載に対して謝罪することはできる。しかし、発言者を差し置いて発言自体を撤回する権利まで有するものではないだろう。

 一方、幾分検討を要するのは第一と第二の点である。


(続く)


(2021.1.18 記)

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