
『歌壇』1992年2月号のグラビアページに小島ゆかりさんの写真がある。「私の好きな場所」と題する企画で、東村山のとある公園を散歩する30代の小島さんが写っているのだが、その手に引かれているショートカットの女の子をご覧あれ。5歳の小島なおさんである。とてもよく撮れているので、いずれ『歌壇』で小島なお特集を組むときには、この写真を再掲すればよいと思う。
写真に付けられたキャプションには、
愛嬢直子ちゃんと一緒に、毎日この公園で童心のままに水遊びを楽しむ。小島ゆかりの歌の清潔さは、そんな童心から生まれるのだろう。
などとある。「なお」がペンネームとは知らなかった。
ウィキペディアの「小島なお」の項を見たら、本名の記載があった。考えてみれば「小島」もたぶん母の旧姓であって、本名は別の姓なのだ。ペンネームは表現者としての自意識を示すものだと思う。小島なおさんは、2004年に18歳で角川短歌賞を受賞したとき、すでにそのペンネームを名のっていた。当時から表現者としての自己を十分意識していたわけだ。
(2013.12.8 記)
NEXT Entry
NEW Topics