最新の頁   »   短歌一般  »  『歌壇』2018年12月号を読んで(2)
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 特集の中のエッセイから印象に残った言葉を引こう。

 十二月号発売時、無事出産できている保証はなく、自分の経験を総括したり、時代と照らし合わせたりできる心境にはない(略)。(石川美南「ぴんとこなさ」)


 他の九編は回想記。石川のエッセイだけが現在妊娠中の心境を語ったもので、迫真性の度合いが違う。

 バイトをして一人の家に帰ってくると、食欲がなく、(略)子供が生まれてしまえば、しばらくは働けなくなるから、夜は装幀の仕事を一生懸命やった。(花山周子「二〇一一年夏のこと。」)


 生活するにはお金が必要、子育てにはさらに必要。きれいごとでないことまでちゃんと書いてある。

 息子を抱いて私は幸せだった。(棚木恒寿「ガラガラポン」)


 この短い一文が醸し出す不穏な空気に驚いた。


(2018.12.10 記)

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