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 『塔』9月号の澤辺元一追悼特集に感銘を受けた。全二百四十六頁の二割、五十頁近くをこの特集に当てている。しかも、分量が多いだけではない。回想文・作品論から百首選・年譜・写真・故人をよく知る人のインタビューまで、完全版の趣がある。これを通読すれば、一人の歌人の全体像、つまりその作品・人柄・人生などがありありと迫ってくる。私はそれらに実に魅了された。

 澤辺はこの結社の創刊時からの同人にして元選者、「名誉会員」でもあったが、主宰者や代表者であったわけではない。そして、中央歌壇で名の通った人でもなかった。『塔』の編集長を務める松村正直さんがブログ「やさしい鮫日記」に次のように書いている。

こうした追悼の特集というのは、結社誌ならではのものだと思う。
総合誌には有名な歌人の追悼しか載らないし、同人誌でもあまり見ない。

結社とは何かという話がしばしば議論になるが、こうした追悼特集を組むところに、私は結社の特徴が滲んでいるように感じる。それは、システムや合理性という観点だけからは摑めない結社の本質であろう。

(9月13日付「「塔」2018年9月号 」)


 短歌の結社誌は遠く大正の頃から同人の追悼号を出してきた。松村さんの見方は、たしかに結社本来の姿を言い当てているかもしれない。


(2018.10.9 記)

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