最新の頁   »   短歌一般  »  『現代短歌』2013年12月号を読む(3)新内向派?
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 大辻隆弘さんが時評欄に『「新内向派」の登場』という文章を書いている。一昨年から今年までに第一歌集を出した光森裕樹、内山晶太、田村元、堂園昌彦、大森静佳らには、小さなものへの注目から内省へ至る「内向性」がある、という。

 こういった分類のような作業は、「そうであるもの」と「そうでないもの」をともに示して初めて意味をなすはずだ。ところが、今回の文章は「内向派でないもの」の提示を欠いているので、やや分かりにくい。もしかすると、歌壇通には言わずもがなのことなのかもしれないが、歌壇通でない読者にはいささか不親切だと思う。

 「内向」という用語は元々、昭和40年代に登場したある種の小説家を指す「内向の世代」という呼び名に由来する。せっかくネット上のブログなのだから、ウィキペディアを見ておこう。

内向の世代(ないこうのせだい)とは、1930年代に生まれ、1965年から1974年にかけて抬頭した一連の作家を指す、日本文学史上の用語である。

1971年に文芸評論家の小田切秀雄が初めて用いたとされる。小田切は「60年代における学生運動の退潮や倦怠、嫌悪感から政治的イデオロギーから距離をおきはじめた(当時の)作家や評論家」と否定的な意味で使った。主に自らの実存や在り方を内省的に模索したとされる。

代表的な作家は、古井由吉、後藤明生、日野啓三、黒井千次、小川国夫、坂上弘、高井有一、阿部昭、柏原兵三など。

 (ウィキペディア「内向の世代」の項)



 この引用文の場合は、「学生運動」「政治的イデオロギー」を深く主題に取り込んだ文学運動と対置するかたちで「内向の世代」を位置付けているわけである。

 大辻さんの構想の中には当然、「内向派でないもの」も組み込まれていたはずなので、あらためてそれを明示した上で論じてほしいと思った。


(2013.11.28 記)


 その2を書かないことにしたので、タイトルの「その1」をカットします。

(2013.11.30 追記)

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