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 浅野大輝「数値からみる『サラダ記念日』」(『Tri』6号、2017年11月)が俵万智らの文語の使用率を調べるにあたり、ある語が文語かどうかを判定する基準を立てていた。すなわち、

 ある語が現代の話し言葉に一般的に登場するかを検討することで、どのような言葉が使われている場合に「文語」の使用があると言えるのか考えることができる。


との立場から、次の条件のいずれかに当てはまるものを文語と判定するものだ。

(1)「ず」「ぬ」「き」「けり」「なり」「ごとし」など、古典語の特徴があり現代の話し言葉で一般に使用されない助動詞がある場合

(2)「ぞ」「や」など、古典語の特徴があり現代の話し言葉で一般に使用されない助詞がある場合

(3)「をり」「あり」など、古典語に特徴的な補助動詞の使用が見られる場合

(4)「行きて」「好みて」「働きて」など、現代では一般に音便化する動詞などの活用が音便化せずに残存している場合


 なお、名詞については「古典語に特有か/現代でも使用するかという判断」に「恣意性が生じやすくなる」とし、条件には含めていない。この基準に従って調査し、一首に一語でも文語がみとめられるものを「文語を使用」として分類した結果、俵万智・加藤治郎・穂村弘の三名は、同時期に『短歌』『短歌研究』の新人賞に応募した者の中で特にその割合が低かったという。

 この浅野基準に対して、『Tri』のメンバーらは概ね賛同し(同号「つっこみ座談会+コメント」)、久真八志のウェブ上の記事「「数値からみる『サラダ記念日』」を読みました&計量的な文芸批評のすすめ」も「妥当」とした。

 これらの好評を受けて、浅野は最近ツイッターで、

 個人的な実感をベースにしているので、もっと良い基準の立て方はあるかもしれません。


と言いつつ、

 わりと有用なのかもしれないと思ったので、(略)よければご活用ください。


と呼びかけ、上の四条件をあらためて提示した(ツイッター上の発言は、知人のスマホの画面で確認した)。

 さて、この浅野基準は妥当だろうか。


(つづく)


(2018.5.16 記)

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