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3 初出の時期


 収録論文を初出順に並べ替えると、次のようになる。

1962年 9月 戦後短歌史論
1965年 3月 ゆがめられた戦後短歌史
     7月 短歌批評の可能性
1966年 3月 昭和十年代短歌史評価の問題
     6月 現代短歌史論序説
     7月 実感的前衛短歌論
     10月 続戦後短歌史論
1967年 1月 昭和短歌史
1968年 1月 美と思想
1969年 11月 楯としての前衛歌集
1971年 2月 現代短歌と近代短歌
1994年 1月 現代短歌における美と思想
1999年 11月 『新風十人』の美と思想
2000年 9月 昭和十年代の花(講演)

 
 このうち、1971年「現代短歌と近代短歌」以前が単行本『現代短歌 美と思想』からの再収録、1994年「現代短歌における美と思想」以降が新収録で、その間に二十余年の隔たりがある。前者と後者で論調に違いがあるのも当然なのかもしれない。

 ところで、本書を読むと、1960(昭和35)年に一つの画期をみとめる短歌史観がたびたび披瀝されている。たとえば、「続戦後短歌史論」には、

 安保以後五年を含む、戦後二十年という、やや息の長い視野で短歌史をかえりみた時、私は、やはり三十五年に、戦後短歌の一つの段落を感じとらざるを得ない。(77頁)


とある。『現代短歌 美と思想』の前著『敗北の抒情』は1958年刊行だった。そして、『現代短歌 美と思想』で初出の一番古い論文は、1962年の「戦後短歌史論」だ。同書には六十年安保改定前後の経験を踏まえない論考は収めなかった、と解してよいのだろう。


(2018.3.20 記)

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