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 小池光のエッセーには気の利いた言葉がよく出てくる。

 年譜を調べると啄木は生涯に三度上京し、三度帰郷した。

  (『石川啄木の百首』ふらんす堂、2015年、63頁)


 著名な歌「汽車の窓/はるかに北にふるさとの山見え来れば/襟を正すも」を取り上げて、このように記す。ふーんと思いながら目を移すと、続く一文はこうだ。

 三度目の帰郷は、骨となって帰った。(同頁)


 襟を正す歌とは何の関係もないが、こう言われてみるとちょっとおもしろい。たった二つの短文なのに展開があり、オチがある。文芸だ。


(2017.6.24 記)


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