最新の頁   »   葛原妙子  »  穴澤芳江『我が師、葛原妙子』について(5)
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 本書の表紙カバーの「おもて表紙」側には、これまで見たことがない写真がプリントされている。困るのは、本書中のどこにもこの写真の説明がないことだ。いつ、どこで撮影したものか。写っているのは何歳の葛原妙子か。

 調べてみて、分かった。場所は軽井沢で、後ろに見えるのは今もそのままの形で建っている聖パウロ教会だ。撮影時期は1958(昭和33)年、葛原は五十代初めということになる。

 どうして分かったかというと、同じ人物(葛原)と背景を別の角度から撮った一枚が角川の雑誌『短歌』1958年10月号に載っており、キャプションに撮影場所が明記されていたからだ。

 これらの写真は『短歌』編集部に属するカメラマンが撮影し、同編集部が所有・保存するものだろう。撮影時期・場所の記録を本書に転記してくれればよいものを、してくれないのは案外管理がいい加減で、編集部内に正確な記録が残っていないということだろうか。


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 「うら表紙」側に印刷されているのは、構図が印象的な一枚。丸木を並べた小さな橋をはさんで画面の上半分に人物、下半分に水面が写る。その前後に撮った同じ構図の写真がすでに『短歌』2015年9月号(人物特集 没後30年 葛原妙子)に載っていた。

 これらの写真にもやはりキャプションの類がない。ただ、葛原の髪型や着物の柄が聖パウロ教会前の写真と一致する。同じ日に撮影されたものだろう。


     §


 ついでに言えば、聖パウロ教会の設計者は当ブログの昨年の記事で触れたグリーンハウスと同じ、アントニン・レーモンド。この建築家は某市に現存する公共施設を設計した人物でもあり、私事ながらその建設に私の遠い親類が関係していたということを父からよく聞かされた。だから、その名が私には何となく慕わしい。


(2017.4.16 記)

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