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 「北見志保子とオタスの杜」の段に引用された北見の歌について、自分にはよく分からないところがあった。

 一つ、歌の形。

川の水ゆたかなれどもわがまなこ遠きロシヤにしばし遊びつ


のように綺麗に定型に収めている歌がある一方、

何気なくオロッコの児(こ)(いだ)きしが笑まふ見ればこの種族らの裔(すゑ)に思ひ至りぬ


は大幅な字余りだ。

丸太造りの家造り住み古ることもなく死にゆく種族が児を愛(いつ)くしむさま


は七・九・五・十・七で五句なのだろう。素人の案で恐縮だが、たとえば第二・三句を「家住み古るすこともなく」、第四・五句を「死にゆく種族児を愛くしむ」などとしてもよさそうに思える。そこをことさらに破調にしているように見える。定型に則る形と、そこからはみ出る形と、北見はどのように使い分けていたのだろうか。


(続く)


(2017.2.12 記)


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