最新の頁   »   短歌一般  »  松村正直『樺太を訪れた歌人たち』覚書(5)
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 「北見志保子とオタスの杜」の段に引用された北見の歌について、自分にはよく分からないところがあった。

 一つ、歌の形。

川の水ゆたかなれどもわがまなこ遠きロシヤにしばし遊びつ


のように綺麗に定型に収めている歌がある一方、

何気なくオロッコの児(こ)(いだ)きしが笑まふ見ればこの種族らの裔(すゑ)に思ひ至りぬ


は大幅な字余りだ。

丸太造りの家造り住み古ることもなく死にゆく種族が児を愛(いつ)くしむさま


は七・九・五・十・七で五句なのだろう。素人の案で恐縮だが、たとえば第二・三句を「家住み古るすこともなく」、第四・五句を「死にゆく種族児を愛くしむ」などとしてもよさそうに思える。そこをことさらに破調にしているように見える。定型に則る形と、そこからはみ出る形と、北見はどのように使い分けていたのだろうか。


(続く)


(2017.2.12 記)


関連記事
NEXT Entry
松村正直『樺太を訪れた歌人たち』覚書(6)
NEW Topics
短歌結社は#MeTooの告発にどう対処したか(3)
短歌結社は#MeTooの告発にどう対処したか(2)
短歌結社は#MeTooの告発にどう対処したか(1)
歳の初めに
真中朋久「安寧禁止」を読み、福田米三郎『掌と知識』のあれこれについて少考する
酒井佑子歌集『空よ』刊行
『チメイタンカ』を楽しむ(3)
『チメイタンカ』を楽しむ(2)
『チメイタンカ』を楽しむ(1)
あふれば? 『ラツパと娘』の歌詞の不思議
コメント
Trackback
コメントを書く
 管理者にだけ表示を許可する
ブログ内検索
和爾猫より

和爾猫

Author:和爾猫
-
主に近現代の短歌について調べています。
同じ趣味の方がいらしたらうれしいです。

情報のご教示などいただけたら、
さらにうれしいです!

検索フォーム
最新トラックバック
QRコード
QR

CALENDaR 1234567891011121314151617181920212223242526272829