最新の頁   »   短歌一般  »  土屋文明記念文学館「現代女性歌人展」(2)色紙
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 前の記事にも書いたとおり、この企画展の中心は春日真木子から梅内美華子まで、現代の女性歌人百人がこの企画展のために寄せた自選一首の色紙、ならびに自註の原稿である。色紙で印象に残ったものを紹介しよう。


■観ることができてよかったと思った色紙 その一

 DSCN1126.jpg
  尾崎まゆみ(同展パンフレットより。以下同)

 百人のなかで、最も個性的。「水」まではごく普通の縦書き、右から左への散らし書きである。ところが、それ以降の三字が突然左から右へ横書きのようになり、最後の「杯」は初句末尾の「の」に近接している。視覚的に空の下に一杯の水があるようにも見え、また全体が円を描いて、湯飲み茶碗の口のようにも見える。


■観ることができてよかったと思った色紙 その二

 DSCN1133.jpg俵万智

 散らし書きにするときに、どう散らすか。空間のバランスを重視するか、単純に五つの句ごとに書くか、あるいは歌意を強調するように書くか。この色紙は歌意を強調するように書いているのだと思う。作者本人の書としておもしろい。自分の「寒いね」より相手の「寒いね」を目立たせたり、「あたたかさ」に焦点を当てたりしている。


■購入して自分のものにしたい その一

 DSCN1127.jpg阿木津英

 阿木津さんの字がこんな風とは知らなかった。美しい。


■購入して自分のものにしたい その二

 DSCN1129.jpg辰巳泰子

 こちらも麗しい。歌を中に寄せて、周囲に余白を大きく取っている。大胆に見えて怖がり(?)、繊細、優しい歌風に、この書き方がよく合っている。ポートレートも素敵。


(2016.8.6 記)


関連記事
NEXT Entry
土屋文明記念文学館「現代女性歌人展」(3)自筆原稿
NEW Topics
『ねむらない樹』vol.5の訂正記事について(3)
『ねむらない樹』vol.5の訂正記事について(2)
『ねむらない樹』vol.5の訂正記事について(1)
ご挨拶
できんくなるかもしれん考
第一回BR賞並びに石井大成「〈ほんまのこと〉への機構」メモ
山崎聡子「わたしたちが身体を所有すること」メモ
「意志表示せまり声なきこえ」の解釈
『現代短歌』2020年5月号(特集 短歌と差別表現)について(9)
『現代短歌』2020年5月号(特集 短歌と差別表現)について(8)
コメント
Trackback
コメントを書く
 管理者にだけ表示を許可する
ブログ内検索
和爾猫より

和爾猫

Author:和爾猫
-
主に近現代の短歌について調べています。
同じ趣味の方がいらしたらうれしいです。

情報のご教示などいただけたら、
さらにうれしいです!

検索フォーム
最新トラックバック
QRコード
QR

CALENDaR 123456789101112131415161718192021222324252627282930