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 名古屋で刊行されていた同人誌『核』49号(1975年8月)の「同人消息」の欄に、

 永井陽子 過日、句歌集『かげろふ』を自筆謄写本で刊行。


との記載がある。この『かげろふ』は、『永井陽子全歌集』(青幻社、2005年)に未収。しかし、引用文を信じれば、句歌集『葦牙』(1973年)と歌集『なよたけ拾遺』(1978年)の間に、永井はもう一冊、句歌集をまとめていたことになる。

 私の知るかぎり、これまで『かげろふ』の内容が紹介されたことはない。当時の『核』同人の一人である斎藤すみ子はこの本を贈られていたはずだが、やはり何も報告していない。上記の引用文のほかは、その存在に言及した文献もないのではないか。

 私はこの本を読みたいと思い、図書館や文学館で少し探してみたが、見付からなかった。謄写本だから保存に適さない造りで、かつ少部数の発行だっただろう。それで早く失われてしまったか。永井が遺した蔵書の中にも、この本は無かったようだ。

 『葦牙』刊行後の永井について、高瀬一誌は

 句集としての発表はなく、『葦牙』で歌人永井陽子が誕生したといえよう。(『小さなヴァイオリンが欲しくて』解説、2000年)


と記し、藤原龍一郎は

 その才能の方向を、まもなく自分自身で見定めたゆえか、俳句は捨てられ、歌人永井陽子が誕生する。(『永井陽子全歌集』解題)


と述べていた。しかし、『葦牙』の後に『かげろふ』をまとめていたとすると、永井が俳句から離れた時期は、高瀬と藤原が想像するよりももう少し遅かったことになろう。


(2015.6.21 記)

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コメント
97
「歌人永井陽子」の誕生を考える上で、興味深い話ですね。どなたかお持ちだと良いのですが。

今、岐阜県の古今伝授の里フィールドミュージアムで「永井陽子という歌人」展が開催されています。
http://kokindenjunosato.blogspot.jp/2015/04/blog-post.html

交通の便があまり良くないのですが、行ってみたいと思ってます。

98
松村さん、こんにちは!
ブログ更新が滞りがちですが、
しばらくお待ち下さいますよう。

古今伝授の里フィールドミュージアムで永井陽子展、
知りませんでした。行きたいです。
松村さん、ブログでレポートをお願いします。
島津氏の所には「かげろふ」があるだろうと思うのですが、
今回の展示に入っている可能性はないでしょうか。

102
永井陽子さんの「かげろふ」ですが、詩歌文学館に収蔵されていることがわかりました。「かげろふ1」というタイトルで、「49年度作品抄」という副題が付いているようです。

コピーは入手していないのですが、ある方に聞いたところによると、掲載されている作品はすべて既出のものばかりとのことでした。

103
松村さん、情報ありがとうございます。
確かに! 詩歌文学館の蔵書検索で出てきますね。
発行時期が「1975年3月」、発行者が「永井陽子」、
形態が「12頁」、すべて『核』誌上の情報と合うようです。

以前検索したときには引っかかってこなかったのですが、
検索の仕方が悪かったか、あるいはその後収蔵になったか。
いずれにしても、探している本はいつか出てくるのですね。

「既出のものばかり」と指摘できるその方は、
永井陽子について相当知っている人でしょう。


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