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 撮るだけ撮ってパソコン内に放置していた写真を整理する。今年の春に熊本の江津湖辺りで撮った写真が数枚あった。旅行の記憶がよみがえり、しばらく見入る。


江津湖への道
    (江津湖への道)


 昨年亡くなった安永蕗子さんは、この湖の近くに家を建てて住んでいたらしい。


  朝靄の薄れゆくまま江津と呼ぶ冬麗母のごとくみづうみ
    (『冬麗』1990)


 私にはどうも難解な歌だが、「冬麗」をトウレイと音読みで読ませる辺りが安永流。あるとき雑誌のグラビアページに載った安永さんの写真が、江津湖を背にした印象深い1枚で、それ以来私の中では安永さんとこの湖のイメージが分かちがたく結び付いている。

 路面電車の走る大通りに出るため、湖畔から住宅街の細い道に入り、ふと見ると、目の前に「安永」と記す表札があった。まだ新しそうな門扉だった。


(2013.11.3 記)


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