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 もう一つ、別のインタビューでの史の発言(インタビュアー、水原紫苑。「この人に聞く」第6回、『歌壇』1995年9月。)。

 生活は基本ですから。生活抜きで人間、飲まず食わずで鉛筆を持っているわけにはいかない。でも、そう強い人もありますよ。(略)亭主にパンツまで洗濯させて、自分は歌をやっていて「あなた、うるそうございます」と言ったのも知っている。地方にいると、逆訴えがあるの。私が探っているんじゃないのに、耳に入ってくるさまざまがある。「有名になりたい」っていうその執着にも感心する。それほど短歌に打ち込めるってことは見事じゃない。私はそう思って見ていますよ。


 「亭主にパンツまで洗濯させて」おいて、「あなた、うるそうございます」と言い放ったという。なかなかおもしろいエピソードで、それを紹介すること自体、悪口といってよいだろう。

 家庭生活を省みずに歌に執着する女性歌人への違和感。あるいは羨望。前の記事に引いた談話と、話の筋が似ている。同じ歌人について語ったものと思われる。史は、その人物の名は明かさない。

 しかし、こちらの発言には、一つ大きなヒントがある。「有名になりたい」という言葉だ。私の知るかぎり、史と同世代の女性歌人で、こういうことを言ったと伝えられているのはただ一人。


(2015.4.20 記)

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