最新の頁   »   アンソロジー  »  永田和宏『現代秀歌』覚書その1:誰を選んだか(2)
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 例えば『名歌名句大事典』(明治書院、2012年)の収録歌の作者で、生誕が1860年以降の者は247人。『近代秀歌』『現代秀歌』の合計人数の二倍弱を選んでいることになる。その内訳を見ると、

 1860年代生まれ:5人
 1870年代生まれ:16人
 1880年代生まれ:43人
 1890年代生まれ:31人
 1900年代生まれ:26人
 1910年代生まれ:19人
 1920年代生まれ:31人
 1930年代生まれ:26人
 1940年代生まれ:29人
 1950年代生まれ:29人
 1960年代生まれ:17人
 1970年代生まれ:6人
 1980年代生まれ:1人

である。ここでは1890年代生まれの歌人はむしろ多い。

 『日本名歌集成』(学灯社、1988年)で同じ条件の作者は204人。その内訳は、

 1860年代生まれ:5人
 1870年代生まれ:16人
 1880年代生まれ:39人
 1890年代生まれ:34人
 1900年代生まれ:34人
 1910年代生まれ:24人
 1920年代生まれ:26人
 1930年代生まれ:18人
 1940年代生まれ:8人

 
 1890年代生まれの歌人は、ここでも決して少なくない。

 では、『近代秀歌』『現代秀歌』の二編とほぼ同じ人数を選ぶアンソロジーではどうか。『現代の短歌』(高野公彦編、講談社学術文庫、1991年)は105人を収載。昭和まで生きた歌人が対象で、それ以前に亡くなった子規や啄木、赤彦らは対象外なので、これまでに言及したアンソロジーとは条件が若干異なるものの、結果に影響するほどではないだろう。105人の内訳は、

 1870年代生まれ:5人 
 1880年代生まれ:11人
 1890年代生まれ:3人
 1900年代生まれ:12人
 1910年代生まれ:10人
 1920年代生まれ:19人
 1930年代生まれ:13人
 1940年代生まれ:13人
 1950年代生まれ:15人
 1960年代生まれ:4人

 なんとここでは、1890年代生まれが前後の年代よりも明らかに少ない。永田和宏の選とほぼ同じ結果である。

 もう一つ、『短歌俳句川柳101年』(『新潮』1993年10月)は収載歌集101冊、その著者101人。明治から平成までの各年1冊ずつ歌集を選ぶという趣向のものである。内訳は、

 1860年代以前の生まれ:6人
 1870年代生まれ:16人
 1880年代生まれ:18人
 1890年代生まれ:6人
 1900年代生まれ:11人
 1910年代生まれ:8人
 1920年代生まれ:14人
 1930年代生まれ:7人
 1940年代生まれ:8人
 1950年代生まれ:4人
 1960年代生まれ:3人

 前後の年代に比べ、1890年代生まれの人数がやはり少ない。収載人数が200人を超えるアンソロジーでは前後の年代とあまり変わらず、100人から130人程度のアンソロジーでは前後の年代より少なくなるということだろうか。つまり、人数は揃っているが、大物は少ないということか。


(続く)


(2015.1.23 記)


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