最新の頁   »   斎藤茂吉  »  田中隆尚『茂吉随聞』上巻を読む(1)茂吉と「赤光調」
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 筑摩書房、1960年刊。

 1941(昭和16)年から47年まで、二十代の著者が茂吉に面会して歌の指導を受けた際の茂吉の発言等を記録したものである。茂吉の平生の態度や言葉遣いが時代背景とともに生き生きと再現されていて、興味深い。

 1941年10月28日、田中の一首「寄りきたる鴉をみつつ牡牛はも啼かざりしかもおのれ身じろがず」に対して、

 「赤光調だな」と云つて笑はれた。(11頁)


とある。なるほど、「牡牛はも」や「啼かざりしかも」がいかにも赤光調だ。

おのづからうら枯るる野に鳥落ちて啼かざりしかも入日の赤きに

  『赤光』


を引くまでもない。

 「●●調」などと自分の旧作の名を挙げてサマになる歌人は、そうはいないはずだ。現代歌人の中には、いるだろうか。


(2015.1.7 記)

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