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 一ノ関さんの掲載歌の続き。
 

いづこにも身ぐるみ剥がむとたくらめる優形(やさがた)ひそむ生き難き世ぞ



 「優形」に恐さがある。ただし、では具体的にどのような世相を思い浮かべればよいのかというと、私には今ひとつよく分からない。「生き難き世」が曖昧なのかもしれないと思う。惜しい。
 

戦争の実態を知らぬ宰相とおもへばどこか信用しがたし



 内容も音調も屈折がなく、分かりやすいところが逆にやや難か。戦争を知らないのはひとり宰相だけでなく、「わたし」も「あなた」もそうに違いないことに思い到れば、どこか他人事のような「信用しがたし」という結句にはならないのでは?
 

よき心すら残さぬ死といふを考へて埒もなきこととわらへり


 死についてそう考えることが埒もないこと、と解して読んだ。死が「よき心」すら残さないものだとしたら、「よき心」を持たない者にはその平等性がささやかな慰めになる。


(2014.12.28 記)

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