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 一ノ関忠人さんの新作「シャガールの日」五十首が載っている。
 

すずむしの鳴く音すずしき草むらをゆきすぎむとすわれまた旅に



 「音」は、ネ。 スとズの繰り返しなど、調べの美しい一首。

 旅の途中の一コマを切り取った内容だが、見方を変えれば、日々の生活の一瞬一瞬もまた同じように出会いの場であって、誰もが常に新たな出会いをしている。しかも、その場にとどまることはできない。だから、「また」。
 

織田作『夫婦善哉』に続編のありしことただ泣けて嬉しき



 織田作が作者に決まっているので、初句は不要では? 続編とあるからには、夫婦善哉は著名な小説の題名以外にない。もしかすると、二重鍵括弧も不要かもしれない。

 しょうもない生活者への共感。それがしょうもない日常であっても、いやしょうもない日常であればこそ、昨日で途絶えたはずだった日常が賜物のように今日も続くことの喜び。もともと気高い心が目線を低くすると、このようなしみじみとした歌になる。


(2014.12.27 記)

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