最新の頁   »   短歌一般  »  松村正直『午前3時を過ぎて』注釈ノート(続4)
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彼岸花あかきを見たり寝過ごしてふた駅分をもどる道すじ

  『午前3時を過ぎて』175頁



【語注】

 彼岸花——
季節は秋の彼岸のころ。同じ花でも、「曼珠沙華」と言えばその梵語由来の異様な音調が華麗な色彩と形象を呼び起こすし、「彼岸花」と書けば幾分地味な印象になる。

 ふた駅分をもどる——終電に乗って寝過ごし、戻る電車はないので歩いている。


【鑑賞】
 

道ほそくなりたる先に変電所ありてシロバナタンポポが咲く (150頁)
「休館」のふだ垂れ下がる前に来てまた引き返す小雨降る道 (184頁)



などと同様に、無意味な道のりに意味を見出だす歌だろう。そして、「彼岸花あかきを見たり」には、夜道の脇にあの世の入口が開いているのをふと見てしまったような、そんな恐さもちょっと感じられる。


(2014.11.29 記)

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