最新の頁   »   短歌一般  »  『GANYMEDE』61号(3)編集後記
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 「Act」という名の編集後記は今号も辛口、また辛口。しかし、「あとがき」の無い詩誌を「信用しない」との発言には、わが意を得た気がした。
 

 有名人なら看過するが、無名のアマチュアが中身だけ差し出す身の程知らずは片腹痛い。「あとがき」は編集人の痛みだ。責任だ。無傷の白紙で雑誌を閉じる傲慢の裏には、むしろ田舎者の饒舌なまでの言い訳さえ感じる。



 私はこのように激しい言葉を使えないし、「田舎者」の一語などは使わないが、全体の主旨には賛成だ。


     §


 昨年紀伊国屋書店で購入した同人誌『一角』は特集、短歌作品から表紙絵までまことに趣味のよいものだった。ただ一点、編集後記を欠くことだけはどうしても引っかかった。同誌の編集人も他の同人ももちろん「有名人」の方にちがいないが、それでも上の引用文は私が感じた違和感をほぼ代弁してくれている。

 同誌編集発行人の土岐友浩さんは、巻末の「寄稿者紹介」欄の自身の項に
 

 編集後記を書くスペースがありませんでした。



と記しているが、これまたおかしな言い訳だと思う。裏表紙の裏を白紙のまま残しているほか、本人作の短歌のために六頁も取っている。もしかすると、印象的な一角獣の絵の裏を文字で埋めたくなかったのかもしれない。その上、自作の頁を減らすのも嫌だと?


     §


 若者の同人誌をけなして、歴史ある大結社の機関誌を持ち上げるのは気が進まないが、『塔』の編集後記欄などはその内部の雰囲気をよく伝えていて興味を引く。
 

 「だから言わんこっちゃない」だとか「あなたは勝つものとおもつてゐましたか」などと、後になって言いたくないので今言っておきます。集団的自衛権行使容認が閣議決定されました。先立つ特定秘密保護法も可決成立しています。私はいずれにも反対です。政治信条を述べる場ではないでしょうし、それぞれに違った意見をお持ちの方もおられるでしょうが、ここで立場をはっきりさせておきます。全国大会の鼎談もそういった所に話が及びそうです。(永田淳、7月号)

 ついでに一言。私は特定秘密保護法も集団的自衛権行使容認も、日本の平和と安全に資するものだと思って賛成しています。塔編集部もいろいろな人がいて、多様性を維持しつつ運営されています。(小林信也、8月号)



 小林氏の文の要点は「多様性を維持しつつ」というところにある。ここから察するに、氏がこう書く以前に、誌面に表れないところで、永田淳氏の発言に対して、会員の誰かが異論を表明したのではなかろうか。この集団の活気を感じたことだ。


(2014.10.1 記)


 一部の表現を直しました。

(2014.10.4 追記)

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