木下利玄の歌の「四四調」について確かめたいことがあって、手元の『岩波現代短歌辞典』(岩波書店、1999年)の「し」の項を探したが、無い。もしやと思い「よ」の項を繰ってみると、あった。ヨンヨンチョウである。
しかし、どうだろう。これ、「シシチョウ」と読むのではないか。九九だって、ヨンヨンジュウロクとは言わない。斎藤茂吉の最初期の歌論「短歌に於ける四三調の結句」もシサンチョウと読ませるのだろう。
「四四調」という語の用例として、『岩波現代短歌辞典』は1935年の川田順『利玄と憲吉』の一節を挙げる。これより早い例として大熊信行「利玄調」という文章があって、たしか『日光』か何かに載っていたと思うが、いずれにしても大正末から昭和初期。旧制の「四高」を決してヨンコウとは呼ばないように、当時の「四」はシと読むのが普通だ。
もっとも、現代の研究者や歌人の間ではヨンヨンチョウと読むのが通例になっているのだろうか。そうだとしたら、辞典の項目がそうなるのも仕方ないのかもしれない。
(2014.7.6 記)
しかし、どうだろう。これ、「シシチョウ」と読むのではないか。九九だって、ヨンヨンジュウロクとは言わない。斎藤茂吉の最初期の歌論「短歌に於ける四三調の結句」もシサンチョウと読ませるのだろう。
「四四調」という語の用例として、『岩波現代短歌辞典』は1935年の川田順『利玄と憲吉』の一節を挙げる。これより早い例として大熊信行「利玄調」という文章があって、たしか『日光』か何かに載っていたと思うが、いずれにしても大正末から昭和初期。旧制の「四高」を決してヨンコウとは呼ばないように、当時の「四」はシと読むのが普通だ。
もっとも、現代の研究者や歌人の間ではヨンヨンチョウと読むのが通例になっているのだろうか。そうだとしたら、辞典の項目がそうなるのも仕方ないのかもしれない。
(2014.7.6 記)
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