最新の頁   »   短歌一般  »  大森静佳「〈孕みえぬ男〉のいま」を読んで
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 『塔』6月号掲載の大森の時評は

 いま、男性歌人による妊娠・出産の歌が面白い。



と述べて、パートナーの妊娠・出産に取材した大松達知・黒瀬珂瀾・光森裕樹の歌から不妊治療を「断念する物語」だという山田航の歌までを取り上げている。

 読みながら、なにか心がざわついた。山田の歌も含め、これらはみな未来を信じることができる人々の物語であり、その意味で幸福過ぎる物語である。この時評の筆者は、そのことの特殊性に気付いていないのだと思う。それはおそらく、筆者自身が幸福だからだろう。

 もちろん、私は大松らの歌自体を否定したいわけではない。ことに、ここに引用されている山田の歌は胸を打つものがあった。この時評が山田の歌を教えてくれたことをありがたく思っている。


(2014.6.26 記)

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