数日前に届いた『石神井書林古書目録』93号に『感幻楽』が二冊収載されていて、値段は一冊が 9,720円、もう一冊がなんと64,800円である。後者のほうには、次の注記がある。
私家本で、視覚的なアピールポイントがあって、しかも塚本の性的嗜好が窺えそうだということでこの高値になるわけだ。「著者自身の近影」は「裸体ではない」との添え書きが可笑しい。
「少数の同好の士」とは、中井英夫、三島由紀夫、春日井建……?
「著者はホモセクシャルで知られる」というが、そんな話は初めて知った。男性愛は作品の上での演技だと私は思っていた。しかし、ホモセクシャル説に何か根拠はあるのだろうか。『感幻楽』には男性美をテーマにした歌が少なからずあり、他の歌集にはたしか「パパと呼ぶなら愛してやらう」という歌もあったが、もちろん歌だけでは根拠にならない。
目録には写真を貼り付けた表紙の画像も掲載されている。モデルはギリシア彫刻のような美青年で、照明の当たり具合も美しい。「生写真」だとしても、塚本自身が実際に男性モデルを撮影したものでなく、グラビア雑誌の頁等を撮影したものだろう。
(2014.6.22 記)
著者はホモセクシャルで知られるが、少数の同好の士に送った『感幻楽』に、男性の裸体写真(3×3cm、生写真)を各章扉などに貼り付けた(20枚)ものがある。本書はその一冊。巻末には著者自身の近影(裸体ではない)が貼られる。また表紙、裏表紙にも裸体写真が貼られている。私家版の趣で作ったもので、一部写真はいわゆる無修正である。
私家本で、視覚的なアピールポイントがあって、しかも塚本の性的嗜好が窺えそうだということでこの高値になるわけだ。「著者自身の近影」は「裸体ではない」との添え書きが可笑しい。
「少数の同好の士」とは、中井英夫、三島由紀夫、春日井建……?
「著者はホモセクシャルで知られる」というが、そんな話は初めて知った。男性愛は作品の上での演技だと私は思っていた。しかし、ホモセクシャル説に何か根拠はあるのだろうか。『感幻楽』には男性美をテーマにした歌が少なからずあり、他の歌集にはたしか「パパと呼ぶなら愛してやらう」という歌もあったが、もちろん歌だけでは根拠にならない。
目録には写真を貼り付けた表紙の画像も掲載されている。モデルはギリシア彫刻のような美青年で、照明の当たり具合も美しい。「生写真」だとしても、塚本自身が実際に男性モデルを撮影したものでなく、グラビア雑誌の頁等を撮影したものだろう。
(2014.6.22 記)
- 関連記事
-
- 塚本邦雄覚書:五月祭の汗の青年 (2017/05/04)
- 塚本邦雄「暗き乳房」一首の覚書 (2017/04/30)
- 塚本邦雄『燦花帖』について (2014/06/24)
- 塚本邦雄『感幻楽』の著者献呈本(2) (2014/06/23)
- 塚本邦雄『感幻楽』の著者献呈本(1) (2014/06/22)
NEXT Entry
NEW Topics
コメント
44
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
45
「短歌人」2006年7月号掲載の花笠海月「薔という名の青年」を参照されるといいと思います。
46
黒瀬さんへ ご教示、感謝します! 『短歌人』の当該号を早速探してみます。普段、なかなか結社誌までは追い切れません。それができる黒瀬さんはすごい。
Trackback
Trackback URL
コメントを書く