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 五年があひだに金を儲けて帰らむと渡り来し教師は多く語らず

   土岐善麿『六月』(1940年)



 松村正直さんが「樺太を訪れた歌人たち」第18回(『短歌往来』6月号)でこの歌を引き、「期限を決めた出稼ぎと割り切って仕事をしている教師」とコメントを付しているのを読んで、教師という職業がよい稼ぎになるものなのかとちょっと不思議に感じたが、考えてみれば樺太は外地扱いだから、公務員には特別に手当てが出たにちがいない。それを目当てに樺太に渡った人の手記などもどこかにあるのだろう。

 漱石の『硝子戸の中』に高校時代の同級生Oとの交流を記した段がある。頭脳明晰で、しかも鷹揚なOの人物像が印象的で、私は折に触れて読み返す。このOも、樺太の中学の校長に赴任してからは案外生活にゆとりがあったのかもしれない。


(2014.6.7 記)

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コメント
42
樺太の教師
詳しくは調べていないのですが、明治41年3月の内務省令「樺太ノ小学校ニ関スル加俸」には、

一 樺太公立小学校ノ教員ニハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ本俸十分ノ八以内ノ加俸ヲ給ス
一 樺太ニ満五年以上勤続ノ者ニハ前項ノ加俸ノ外樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ本俸十分ノ二以内ノ加俸ヲ加給ス

とあります。「十分ノ八」と言えば、最大で8割増ですから、かなり魅力はあったのではないかと思います。

43
さすがに調べていらっしゃいますね! 最大で8割り増しというのは想像以上です。なるほど数年ほど出稼ぎにいこうという気にもなりそうです。台湾なども同様だったのでしょう。パラオ南洋庁に赴任した中島敦なども貯金が増えたかも知れません。

(パソコンの調子が悪くて、ブログ更新に苦戦中です。)

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