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  俺の半生「酒と涙と男と女」(と吼えてみたかつたな)
冬月のあかるむ空を白雲のおぼおぼと行くひみつめきつつ


  一ノ関忠人「行雲抄」(『GANYMEDE』60号)



 詞書の「吼えてみたかつたな」というあたり、肩の力が抜けている。歌自体の力が抜けるところまで、あと一息だと思う。

 一ノ関さんの第一歌集『群鳥』は理知的で、見事に形の整った歌が並んでいた。それに比べれば、ずいぶん遠いところまで来たという気がする。私は今の一ノ関さんの作品のほうが好きだ。

 「おぼおぼと」は、「おぼろげなさまで」。「ひみつめきつつ」だから、この夜の雲は秘密ではないわけで、「酒と涙と男と女」などと吼えられない作中主体の心が投影されたものと読む。



(2014.4.27 記)


 一部、書き直しました。(4.29 追記)

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