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 『GANYMEDE』60号(4月1日発行)をいただいた。この季刊誌の存在を初めて知ったが、400頁を超える大冊で、執筆陣も詩人・俳人・歌人の実力派が揃う。そして編集者の個性が全編を貫いている感じだ。

 日本現代詩人会の会長が年頭挨拶で「私たち詩人」という主語でもって特定秘密保護法案への反対を表明したとのことだが、武田肇「Act」(=編輯後記)はこれに噛みついて、次のように書いている。
 

 現代詩の基層から詩人の想像力が著しく衰退したのは、右のように大袈裟で無味乾燥な社交辞令で詩と詩人を管理する団体的因循姑息が原因だ。

 同会報の無難な編集人また、後記で右と同じことを書いていて、60年安保の頃のミルク臭い武勇伝を引き合いに出し、今日の学生の動きの鈍さを「現代の若者の感受性と想像力の希薄さ」とエラそうに世話をやく(略)。秘密保護はどっちだ。感受性と想像力は今の若者の方が豊かだ。豊かだから今日の日本青年は権力に就く。(略)

 これを要するに、日本現代詩人会は、其処に存在しない特高警察辺りを懐かしみ、其処に存在しない反骨の詩人を装いながら、そのじつ単にほんとうの詩人が居ないだけの「裳抜けの殻」という話である。こんな団体でエラくなることに躍起になる役員男の顔ぶれを見るにつけ、連日ぼくはウイスキーが旨くてしかたがない。



 私は今の日本現代詩人会の実態について何も知らないので、この文章の是非もわからないが、「豊かだから今日の日本青年は権力に就く」の論理展開やら、「ウイスキーが旨くてしかたがない」のレトリックやらには瞠目させられた。


(2013.4.13 記)

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