最新の頁   »  2015年08月17日
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 今回の三枝の論考には、新発見の情報が含まれている。一つは、『短歌研究』1945年9月号掲載の佐佐木信綱の一首に関するものだ。

いのちもて斎垣きづき成し大御民めぐらひ守る の御国ぞ


 この結句に一字分の不自然な空白があるところを、同誌1946年1・2月合併号掲載の岩上順一の歌評が「神の御国ぞ」と補って引用しているという。篠弘『現代短歌史』Ⅰ(短歌研究社、1983年)も同様に補って読んでいたわけだが、その読み方が正確であったことをほぼ決定付ける資料だ。

 もう一つの情報は、当時の『短歌研究』『日本短歌』各号の配達日の記録が『山口茂吉日記』にあるということである。『日本短歌』1945年9月号が発売頒布禁止処分を受ける以前に一部頒布されたことは拙稿「検閲と自己規制の間」がすでに指摘していたところだが、『山口茂吉日記』にその号を10月24日に受け取った記事があるとの情報は特に興味深い。同号が印刷発行された時期、ならびに検閲と処分を受けた時期を推定するための新たな参考資料になるだろう。

 二つの発見ともに、大きな成果だと思う。


     §


(続く)


(2015.8.17 記)

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Author:和爾猫
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