最新の頁   »  2014年02月04日
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 まず、姫路という地名をテレビドラマの俳優はどう発音するか、という話。

 〈メジ〉でなく〈ヒメジ〉。播磨を舞台に1月に放送が始まったNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で、役者やナレーションが用いる「姫路」のアクセントが“関東風”ではなく、地元で話題になっている。過去には夏の全国高校野球の実況放送で〈メジ〉が連呼され、地元視聴者が「気持ち悪い」などとNHKに訂正を求めたことも。

(『神戸新聞』2月1日付
 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201402/0006677205.shtml)



 この新聞記事が依拠する都染直也氏の調査によれば、地元の人がヒ・メ・ジを同じ音程で発音するのに対し、関東ではヒの音程だけを高く取る。

 NHKでは、ヒが低く、メで上がって、ジはそれと同じ高さ。私が聴いたかぎりでは、JRのアナウンスもこれと同じだ。このイントネーションであれば、地元の人も違和感がないという。

 要するに、地名の発音は地元で違和感のない発音に近づけた方がよいというのが、とりあえず一般的な考え方として認められるようだ。

 ただし、JRのアナウンスの発音の仕方は、各地でさまざまだ。大阪市内にJR・近鉄・市営地下鉄が交差する鶴橋という駅があって、市営地下鉄のアナウンスは頭のツから順に音程が下がる大阪風であり、市営バスも同様だが、JR大阪環状線のアナウンスはルを高くして、前後を低くする標準語風。このように事例は色々あるものの、一般的な考え方としては上記のとおりでよいのだろう。「観心寺」を地元の発音のとおりに読みたいという私の願望も、それほど偏屈なものではないわけだ。

 しかし、地元の発音というのは、他の地域に住む人間にとっては想像を超えるところがある。松村さんのコメントによれば、京都の人は「醍醐」を発音するとき、ダからイへ音程を上げるという。関東ではまず聴くことのない言い方だ。そうすると、「醍醐天皇」も同様に発音するということか。

 同じ県内でも、別の地域の発音となると、もう分からない。神奈川県鎌倉市の「由比ヶ浜」。県民でもユからイへ音程を上げ、ハ・マでまた順に下げる、という人は少なくない。しかし、地元の発音では、初めのユが最も高く、後は一字ごとに順に下げるのだ。FM横浜のアナウンサーが後者を採用しているのは、地元に従うという原則があるのだろう(江ノ電の車掌さんは駅名の「由比ヶ浜」をどう発音しているのか、どなたかお教えください)。

 神奈川県横浜市に「鴨居」という地名があり、JR横浜線の駅名にもなっている。その発音はカを低くし、モで上げて、イはそれと同じ高さにする。ところが、同じ県内の横須賀市にも「鴨居」という地名があって、こちらの発音は末尾のイで再度下げるのだ。たった一音の音程の違いに過ぎないが、たまたまそれを取り違えているのを聞くと、地元住民としては違和感を感じること甚だしいらしい。もっとも、どちらの鴨居にせよ、住民はそれがマイナーな地名であることを知っているから、発音を間違えた人に文句を言うことなどないだろうが。

 地名の発音は地元風にすることを心がけつつ、不明のところは判明するまで自己流で仕方ない——このあたりが私の結論。


(2014.2.3 記)


 松村さんの新しいコメントに気付かずにこの記事を書いてしまった。そのコメントによれば、「醍醐天皇」の発音は、京都と関東で変わらないようだ。地名と人名でイントネーションが異なるというのはときどき経験することで、私の知り合いに東京生まれの「渋谷さん」がいるが、地名とは逆にシを高くして、ブ・ヤと順に下げて発音する。

 尚々、東京の根津はネからヅへ上げて読んでしまいそうだが、地元ではネからヅへ下げると聞いた。ウェブ検索をしてみると、やはりそのような情報が出てくる(参考「千駄木・根津界隈」)。地名の発音は、原則がないのが難しい。

(2014.2.4 追記)


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Author:和爾猫
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